退職金の資金準備
退職金のトラブルの多くは、退職金の資金準備がらみの場合です。退職金の制度があったとしても、実際に支払われるべき退職金の原資がなければ問題が起こりうるのです。
労働者側からすると、退職金の原資をきちんと定期的に積み立てるべきではないかという疑問があるでしょう。それでは、会社は必ず退職金を定期的に積み立てなければならないのでしょうか?
この点、退職金の定期的な積み立ての義務が法律上あるかというと、会社は定期的な積み立ての義務はなく、あくまでも努力義務にとどまります。
労働者が退職金を請求できる権利は、会社を退職して初めて発生するものです。ですから、会社としては退職時に退職金をきちんと支払えればそれでいいのです。
退職金の資金準備方法
会社が退職金を積み立てて資金を準備する方法は、さまざまな方法があります。大きく分けると、「企業年金」とそれ以外の方法になります。
企業年金ですと、会社の事業資金と完全に分離されますので安心です。なぜなら仮に会社が倒産したとしても、退職金は守られ支払われることになります。
このように企業年金の場合は安全性が高いのですが、それ以外の場合は、リスクが高まるといえます。ですから労働者からすると、自分の会社がどのような方法で退職金の準備をしている確認をしておいたほうがいいでしょう。
ただ、退職金の必要額を全て企業年金で用意している会社はあまりありません。企業年金で積み立てる割合が多いほど、リスクは低いといえますので、この点も確認するといいでしょう。
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